エフエムEGAO

番組へのおたより・リクエストはこちら 763@fm-egao.jp その他 局へのお問い合わせはこちら info@fm-egao.jp

東海愛知新聞

プラナリアから再生医療へ

岡崎・基生研 阿形所長が文化功労者

自然科学研究機構基礎生物学研究所(岡崎市明大寺町)の阿形清和所長(69)がこのほど、文化の向上発達に顕著な功績がある人に贈られる「文化功労者」に選ばれた。水生生物「プラナリア」の研究に取り組み、現在盛んに行われている「再生医療」のコンセプトを世に発表した功績が認められた。 (横田沙貴)

阿形所長は大阪府出身の東京都育ち。サッカー少年だったが、高校生だった1972(昭和47)年に日本の発生生物学者・岡田節人氏の著書『細胞の社会』に出合い、研究者を志した。岡田氏が当時勤務していた京都大学に進学してイモリの再生研究を行っていたが、91(平成3)年に姫路工業大の助教授(当時)に就任した時期から、国内でほとんど研究者がいなかったプラナリアの研究を開始した。

プラナリアは体を切断されると、断面から体を再生する。また、頭があった方の切り口には頭ができるなどの特性がある。これらは医療に役立てられると考えて遺伝子レベルで解析し、数々の発見をしてきた。さらに1つの個体から同じ遺伝子を持つプラナリアを増やし、実験条件をそろえるといった研究手法も確立させた。

94年にはプラナリア研究などで得られた知見から再生医療のコンセプトを発表した。これ以降、日本国内で再生医療に関する研究が活発に行われるようになった。なお、今年9月にはオーストリア・ウィーンで開かれた第1回国際再生生物学会で国際再生生物学賞を受賞し、国際的にも功績が認められている。

「プラナリアと、その研究が再生医療につながるアイデアであったと、多くの皆さんに理解してもらえたことが幸せだ」

ページ最初へ