東海愛知新聞バックナンバー
 12月22日【土】
水素原子の超高速移動可視化
世界初分子科学研究所が成功
レーザー照射、分子爆発で実証

自然科学研究機構・分子科学研究所(岡崎市明大寺町)の菱川明栄准教授(40)の研究グループは21日、強いレーザーを分子に照射して爆発させ、分子内の炭素原子に付着している水素原子が超高速で動き回る様子を可視化することに世界で初めて成功した、と発表した。

31日付の米国物理学会が発行する雑誌「フィジカル・レビュー・レターズ」で研究論文が発表される。

打ち上げられた花火の中身が、丸い形に開いた“花”によって分かるように、レーザーを照射して分子を爆発させた結果、10兆分の3秒の間に水素原子が炭素原子の周囲を移動して元の場所に戻ることがわかった。

これまで、レーザーを照射することで分子内の水素原子が炭素原子の周囲を移動することは理論上分かっていたが、今回の研究で元の場所に戻るという予想外の動きが明らかになった。





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