東海愛知新聞バックナンバー
 11月29日【木】
多彩な版画の表現紹介
ゆかりの山本鼎やピカソら
5日から岡崎市美術館で

 岡崎市美術館は、版画の持つ表現の多様さを紹介する同館主催の企画展「版画の美―ピカソ、ミロ、シャガールから藤田嗣治、池田満寿夫まで」を12月5日から開く。
 版画には、版に刻み込んだ曲線の鋭さや、単純化された色彩の美しさなど、筆に絵の具を付けて描くことでは得られない独自の美しさがある。
 版画はもともと絵画を複製する手段として発達したが、今では版画でのみできる表現に魅了された芸術家たちが多くいる。
 同展では、岡崎の花崗町に生まれた画壇の偉才山本鼎が、自刻自摺の創作版画という分野を切り開き、後の版画芸術に大きく貢献したことを紹介する「山本鼎と創作版画の夜明け」▽山本鼎、藤田嗣治、梅原龍三郎、北川民次、小磯良平、奥村土牛など才気あふれる作家の版画表現を紹介し、日本人の版画に対する美意識を探る「日本画家の版画」▽岡崎の画壇に多くの影響を与えた北川民次の原初的な版画40点余りをまとめて特別展示し、油彩とは違った民次の魅力に迫る「北川民次と素朴表現」。
 さらに、ピカソ、ミロ、シャガール、ダリ、マグリット、エルンスト、デュフィなど世界の巨匠による版画芸術の世界を紹介する「西洋画家の版画」▽ロートレックに端を発する版画の技法を駆使したポスターを展示する「メディアとしての版画ポスター」―の5つの構成で紹介する。
 観覧料は一般500円、小中学生が300円(市内の小中学生は無料)。会期は12月24日まで。同館は毎週月曜日休み。





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