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東海愛知新聞

愛知県

伝統的工芸品の功労者表彰

岡崎市関係は6人
仏壇、石工品、ちゃらぼこ

今年度の愛知県伝統的工芸品の産業功労者ら22人の表彰式が31日、名古屋市中区の県公館で行われる。表彰は伝統工芸品の産業を振興するのが目的で、岡崎市関係では6人が受賞する。
 部門は(1)国指定伝統的工芸品産地の産業功労者(10人)(2)同優秀技術者(10人)(3)郷土伝統的工芸品優秀技術者(2人)。
 (3)は規模が小さいという理由で国の指定を受けられない産地の技術者が対象で、平成13年度から表彰。(2)は昭和55年度、(1)は56年度から実施している。
 部門別の岡崎市関係は次のみなさん。
 (1)三河仏壇・石川光昭▽岡崎石工品・中島健介、河野俊雄(2)三河仏壇・寒河江正一▽岡崎石工品・大澤菊雄(3)ちゃらぼこ太鼓・三浦宏之
 (3)では、13年度は大門しめ縄組合・石川惠由さん、14年度は粟生人形工房・粟生正樹さん、15年度は小山矢・小山金一さんが受賞した。

三浦太鼓店五代目 三浦宏之さん
お祭りのお手伝いが認められてうれしい

 「祭りのお手伝いをさせてもらっていることが認められたと、うれしく思います」。岡崎市六供町、和太鼓をつくる三浦太鼓店の仕事場。五代目の三浦宏之さん(50)は笑みをたたえて話した。
 「ちゃらぼこ太鼓」は小〆こじめ太鼓とコンコロ太鼓の2種類。高い音が特長だ。小〆太鼓の胴は真鍮しんちゅう。革は、表面の肌き理めが細かく弾力のある雌牛のもの。梃て子この原理でロープを締め、さらに治じ具ぐという鉄の特殊な道具で、これでもかこれでもかと締め上げる。そして革を太い麻糸で縫い、組み立てる。道具類は18年前に亡くなった先代が使っていたもの。
 「祭礼の日、各町の氏子が太鼓合戦を繰り広げる。打ち合い、乱れ、絡む音。そのなかで、遠くまでよく通る音を『わが町の太鼓が一番だ』と自慢するのです」。太鼓に“音という命”を注ぎ込んだ匠の思いが、打ち手の心意気に伝わる時だ。
 「お客さんは仕事場へ来て、太鼓の音を聞かれます。お客さんの求める音は言葉や数値で表せないから、確かめてもらうのです」
 その音と叩くリズムから、ちゃらぼこ太鼓と名付けられたという。昔から三河地方に伝わるが、起源は、平安時代に熊野一族から蒲郡へ、江戸中期に京都の公家から―と説は分かれる。
 三浦太鼓店の創業は江戸末期の慶応元(1865)年。城下町・岡崎に140年の歴史を刻む。県下の製造業者は4軒(知立、津島、小坂井と岡崎)、ちゃらぼこ太鼓を作れるのは知立と三浦太鼓店だけ。二男・和也さん(25)が六代目だ。
 2人は、おかざき匠の会、交流勉強会「おかざき塾」の会員。

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