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東海愛知新聞

復活した伝統行事「帝鎮講」と防災訓練を同時に開く

地域住民の交流の場に岡崎の鉢地神明社

岡崎市の東部、鉢地町の鉢地神明社で19日、伝統の「帝鎮講(ていちんこう)」と防災訓練が行われた。後継者不足で細々と続いていた伝統行事を、地域住民の交流の場にしようと昨年から本格的に復活。2年目の今年も早朝から防災訓練を知らせるサイレンとともに住民が集合。「歩け歩け大会」のあと消防署員から三角巾の使い方などを習い、昔ながらのしめ縄作りと火起こしが行われた。
 「帝鎮講」はかつて、旧暦11月第2の申さるの日に行われていた。青年団を中心にしめ縄を作り、樹齢300年以上というヒノキの「御神体」のある同神社近くの荒神山周囲にしめ縄をはる。この時「お山の神がござった。キツネもタヌキも帝鎮講」と声を掛けながら山に入ったという。
 同時に昔ながらの方法で火を起こし、赤飯などの煮炊きに使う。
 ところがサラリーマンが多くなって青年団活動ができなくなり、昭和39(1963)年から行事を縮小。しめ縄作りだけが当番を決めて続いていた。
 復活2年目の今年も朝8時、サイレンが鳴り12の組に分かれて住民約150人が集合。引き続き神社脇を流れる鉢地川に沿って約4キロのコースを家族で歩いた。
 神社に帰ったあと防災訓練があり、東消防署から5人の署員と起震車が参加。三角巾の使い方を習ったり、起震車で地震の揺れを体験した。
 初めて三角巾の使い方を習ったという住民は「結び方が難しかった。ていねいに教えてもらったので、いざという時、役立ちそうです」と話していた。
 境内にはビニールシートが広げられ、農家から提供されたわらで、しめ縄、赤飯を入れる容器、ぞうり作りと、火起こしが行われた。火起こしはお年寄りが子どもたちを指導した。
 鉢地町の金澤治利総代は「昨年より多くの住民が集まってくれた。伝統行事を引き継ぎ、世代を超えた交流の場にしていきたい」と話している。

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