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東海愛知新聞

三つ葉葵だけじゃない?

松應寺に伝わる剣銀杏紋
19日に初の一般公開

徳川(松平)家の家紋は三つ葉葵だけじゃない―。岡崎市松本町の松應寺(服部善樹住職)に伝わる家紋「剣銀杏紋(けんいちょうもん)」がひそかに注目されている。三つ葉葵の前に使用されていたのではとされる家紋の古瓦や紋章などが19日に初めて一般公開される。()

剣銀杏紋は3枚の銀杏の葉と3本の剣を組み合わせたもので、三つ葉葵に似ているとも言える。江戸時代後期の書物『旧考余録』には、同寺にある徳川家康の父・松平広忠の廟所に使用されたとの記載があるが、現在の廟所には葵の紋だけが使用されている。

服部住職によると、同寺には剣銀杏紋を使っていた証拠が幾つか残っているという。先々代住職が地中から発見したという直径約12センチの古瓦や戦前の本堂または山門の扉に使用されたと思われる直径約18センチの金色の紋章、昭和初期に参拝者向けに押されていた記念の印鑑などだ。また、本堂正面入り口上部の外側は葵の紋だが、真裏(内側)には剣銀杏紋が描かれている。現在の本堂は戦災で焼失した本堂を模して1953(昭和28)年に再建されており、以前に剣銀杏紋が同じ場所に使用されていた可能性が高い。

イチョウは聖域に植えられるとされ、三代将軍徳川家光が植えたとされるイチョウが同寺にはあったが、なぜ葵の紋の前に剣銀杏紋が使用されたかということは謎に包まれている。

今回公開に踏み切ったのは、2月に雑誌で取り上げられたり、同寺が発行している定期便で紹介したりしたところ、反響があったから。服部住職は「家康公の地元・岡崎の皆さんにもぜひ知ってもらえたら」と話す。

一般公開は本堂で午後2〜4時。拝観無料。廟所修復の募金の呼び掛けも行う。問い合わせは、同寺(22―6863)へ。

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