東海愛知新聞バックナンバー

 5月27日【土】

椅子の名作307点

岡崎シビコでデザイン展

トーネット、マッキントッシュ、リートフェルト、ライトといった、国内外の有名建築家やデザイナーらが設計・考案したデザイナーズチェアの名作307点を集めた展示会「デザイナーズチェア・コレクションズ」が26日、岡崎市康生通西2の岡崎シビコ6階特設会場で始まった。6月18日まで。(横田沙貴、大山智也)

展示されているのは、西尾市出身の歯科医師でコレクター武藤俊一さん(67)=名古屋市在住=が約20年にわたって収集した椅子。名古屋市への引っ越しを機に収集品の処分・整理を考え、主催の岡崎アートコミュニティ推進協議会代表で、マサヨシスズキギャラリー(康生通南3)のオーナー鈴木正義さんに処分について相談したところ、「まずは見てもらおう」と提案された。鈴木さんも、シビコの活用や、康生地区の名店紹介などにつながればと同展を企画。これだけ多くのデザイナーズチェアが並ぶ展示は国内では珍しいという。

鈴木さんによると、椅子はかつて権力の象徴であったが、産業革命後は大量生産され一般家庭にも広まった。その同時期にデザイナーズチェアが確立され、約40年の周期で時代の転換や素材・技術の革新などが起こり、椅子のデザインに大きな変化をもたらした。日本国内では畳で過ごす文化が定着していたため、一般家庭に椅子が普及したのは1960年代だという。

会場では、椅子のデザインで顕著な変化が起こった産業革命後と第二次世界大戦終戦後、1980年代の3時代の作品と、日本人デザイナーらが手掛けた椅子をコーナーごとに展示。会場内の椅子は腰掛けることができる。武藤さんは「これだけ多く並べるのは初めてで感無量。椅子たちも喜んでいると思う」、鈴木さんは「名作椅子を見ながら時代の変化を感じてもらえたら」と話している。

関連展示として、康生地区12店によるインテリアデザインに焦点を当てた企画展「ライフスタイルデザイン展」や現代アート作品の展示、名古屋芸術大スペースデザインコース卒業制作作品展、4人の建築家による住宅展が同時開催。6月11日午後1時からトークイベントもある。

デザイナーズチェア・コレクションズの入場には1枚300円のフリーパス券が必要。小学生以下は無料。関連展示はいずれも無料。午前11時〜午後7時(最終日は午後6時)。