東海愛知新聞バックナンバー

 10月12日【水】

東京五輪見据え アジアの頂点へ

岡崎出身 近代五種の繁原ひなのさん

岡崎市葵中学校出身で、東京都内の日本体育大学荏原高校1年の繁原ひなのさんが、20日にキルギスで開かれる近代五種アジア選手権大会に出場する。目標に掲げる4年後の東京五輪出場への第一歩として、まずはアジアを舞台に躍進を誓う。(大山智也)

繁原さんは、9月に千葉県で行われた「第4回近代三種日本選手権大会in葉兼第11回JOCジュニアオリンピックカップ」の女子高校・大学・一般の部で優勝し、アジア大会への出場権を獲得した。

近代三種は、五輪正式種目の近代五種の登竜門として位置付けられ、水泳、ランニング、射撃の3種目で構成される複合競技。近代五種ではフェンシング、馬術の2種目が加わり、性質の異なる5種目で瞬発力、持久力、集中力などの総合的な能力が問われる。

小学生から陸上競技の長距離走種目に取り組んでいた繁原さんは、中学2年の時に近代三種に興味を持った。その後、スイミングスクールに通ったり警察官の父から射撃の指導を受けたりして練習を重ね、昨年の「第3回近代三種日本選手権大会in千葉兼第10回JOCジュニアオリンピックカップ」女子ジュニア(中学〜高校)部門で優勝。当時から近代五種での五輪出場を目標に掲げ、練習のために日本体育大学まで遠征していた。

本格的に近代五種に取り組むため、中学卒業後は練習環境が整っている同高校に進学。平日は朝晩計約4時間、休日は午前9時ごろから休憩を挟みながら午後6時30分ごろまで練習で汗を流すなど、競技中心の生活を送っている。

7月にはアイルランドで行われた近代五種ユース世界選手権大会に出場したが、海外の強豪に圧倒され予選敗退という結果に終わった。繁原さんは「大会に向けて練習してきたことが、本番で発揮できなかった。苦手なフェンシングでつまずき、水泳でも気持ちの切り替えができていなかった」と振り返る。

9月の近代三種大会の優勝を喜びながらも「これまでは水泳で遅れを取って陸上(ランニング)で前の人を追う形が多かったが、今年は先頭に離されなかった。ただ、追い抜いてからも後続を気にして納得のいく記録が出せなかった」と満足してはいない。大会を終えてからは近代五種のアジア大会に焦点を当て、苦手なフェンシングを中心に各種目の強化に努めてきた。

「課題は精神面。海外の選手相手でも気持ちで押されないよう自信を持って、日本人のトップであり続けたい」