東海愛知新聞バックナンバー

 7月31日【日】

近所付き合い深く

シニア向けフリーペーパー「ひだまり」創刊へ

高齢者宅を訪れて介護、医療、生活の相談に乗るサービスを提供する「スズホ」(岡崎市滝町)代表取締役で看護師の鈴木扇帆さんが10月1日、喫茶店(カフェ)に焦点を当てた60歳以上のシニア世代向けのフリーペーパー「ひだまり」を創刊する。各地域で孤立する高齢者を減らそうと、足を運びやすい喫茶店を媒介としたコミュニティーづくりの支援が目的だ。(今井亮)

ひだまりはA4判で16〜32ページの構成を予定し、1、4、7、10月の年4回に各3000部を発行。市内の駅、スーパー、介護施設、病院、銭湯、公共施設などに置く。紙面は文字を大きくし、1ページで2店舗を紹介。季節に合わせた特集記事、シニアのファッションスナップ、60歳以上を対象とした企業の求人広告なども掲載していく。

鈴木さんは紙面内容を企画する編集長を務めながら、配布先の開拓や主な発行費用となる掲載店の広告獲得などの営業をこなす。企画を基に、デザイン会社「サチデザイン」(葵町)を営む東海林佐知子さんが写真撮影を含めて取材し、レイアウトなどをデザイン。「ヨシノ印刷」(八帖北町)専務の吉川直希さんが制作・印刷を担当する。

また、ひだまりの創刊に合わせて、喫茶店を会場に開くカルチャースクール「ひだまりスクール」をスタートさせる。広告とは別に、店側が加盟店としてスズホに会費制の有料登録をした場合、ローズウィンドウ、ヨガ、スマートフォン講座など、希望するスクールを選択。開催が決まれば、店の紹介とスクールの詳細が紙面に掲載される仕組みだ。

スクールには、地域の喫茶店への来店に加え、同じ時間を共有することでコミュニティー形成を後押しする狙いがある。シニアに限らず、さまざまな世代が集うことで世代交流の効果も見込む。

創刊に向けて、このほど東明大寺町のカフェ「キッチン・ベル」でプレイベントのスクールが開かれた。集まったシニア世代はローズウィンドウを楽しんだ後、東海林さんが店主、鈴木さん、吉川さんらを交えて店先で記念撮影。写真は創刊号の表紙を飾る予定だ。

「歩いて行ける個人経営の喫茶店で生まれたコミュニティーは、困った時に助け合える居場所になる」と鈴木さん。「近所付き合いをより深くしていくのが『ひだまり』の役目です」と話した。問い合わせはスズホ(74―9896)へ。