東海愛知新聞バックナンバー

 2月2日【火】

70年ぶりの明かり

岡崎の殿橋 灯具4基が“復活”

岡崎市の中心部を流れる乙川に架かる殿橋(同市明大寺町)の灯具が、約70年ぶりに明かりを取り戻した。「乙川リバーフロント地区整備計画」の一環で、殿橋と明代橋のLED照明を導入したライトアップ設備の整備完了(今年度末)に先立ち、昨年12月26日に行われたイベント「泰平の祈り」で初めてともされた。(今井亮)

殿橋の四隅にある親柱の灯具4基にそれぞれ太陽電池と蓄電池が設置された。電池の充電を終える日没とともにLED電球36個が、ろうそくの揺れる火をイメージした暖色の明かりを5時間にわたって発光する。

県道として県が管理する同橋は、昭和2(1927)年の竣工以来、太平洋戦争の戦火をくぐり抜けて現在まで当時の姿を残す。しかし、終戦直前の同19年に金属供出で灯具が徴収されてから、明かりがともされることはなかった。同54年に市民が募った寄付金で、写真などを基に製図された設計図から、高さ約1メートルの灯具が復元された。

市は、管理する県の許可を得て両橋の橋りょう全体を黄、青、赤、紫など自在に生み出すことができる色で彩るLEDのライトアップ設備を整備する。整備後は平成4〜6年を最後に休止されているライトアップが復活することになる。

工事費は殿橋親柱の灯具が約570万円、両橋ライトアップ設備の整備費が1億4,000万円。乙川リバーフロント地区整備計画の関連事業として、国が2分の1を補助する見込み。