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 8月22日【土】
岡崎市教委

神像7体を文化財指定

滝山東照宮の日吉山王社

岡崎市教育委員会は20日付で、同市滝町の滝山東照宮・日吉山王社に安置されていた彫刻「木造日吉山王神坐像」7体を、市指定文化財に指定した。市の文化財指定は336件になった。

日吉山王社の神体として伝わってきた神像で、現在は同市美術博物館に寄託されている。7体は大津市の日吉大社に祭られる7神と同様に僧形(大宮、二宮、聖真子、十禅師)、男神(八王子)、女神(三宮)から成る。高さは20.2〜24.5センチ。各像は白木の厨子の中に安置されていた。

7体のうち、4体の制作年代は鎌倉時代の建長5(1253)年以前と推定される。焼失した最古(鎌倉時代前半)の山王神像の全容が推察できる造りとして貴重。残る3体は台座裏の墨書により、江戸時代の延宝7(1679)年と判明した。

江戸時代に制作された3体は、10月18日まで岡崎公園内の三河武士のやかた家康館で開かれている「瀧山東照宮宝物展」で公開されている。

日吉山王社は老朽化が進み、地元住民で構成する「日吉山王社を守る会」は、修復費用の寄付を募っている。修復に必要な事業費は約1億3,000万円。問い合わせは同会の中根茂会長(25―0450)へ。(今井亮)