東海愛知新聞バックナンバー

 11月8日【土】
音楽座ミュージカル「メトロに乗って」

幸田北部中・梅村君が出演

12月14日 町民会館

幸田町北部中学校2年の梅村匠君が、音楽座ミュージカル「メトロに乗って」に子役として抜擢され、12月14日に幸田町民会館で公演する。「友達や日頃お世話になっている人が見に来てくれると言っています。客席にいるのは一人一人大切なお客様だという気持ちを忘れずに、役を演じきりたい」と意気込んでいる。(横田沙貴)

「メトロに乗って」は、直木賞作家の浅田次郎さんの小説『地下鉄(メトロ)に乗って』が原作。

激動の昭和を生きる小沼真次が主人公。ストーリーは―。

大実業家にのし上がった、独裁的な父親・佐吉に反発した真次は家を飛び出す。25年ぶりに出席した同窓会の帰り、地下鉄永田町駅の階段を上がると、そこには昭和39(1964)年の景色が広がっていた...。

梅村君は佐吉の少年時代を演じる。真次に大きな影響を与える佐吉につながる重要な役どころで、歌もある。「コミュニケーションのように、そのときどきで違う、観客の気持ちを動かすような演技をしたい」と話す。

梅村君は、昨年2月に行われた町民参加のミュージカル「さよなら、ブルーバード」に出演した。同公演には音楽座が協力。公演に先立って行われたミュージカルスクールでは俳優らから直接指導を受けた。「ストーリーの中に入り、普段ではできないことを体験できるところが楽しかった」と振り返る。

「メトロに乗って」の公演にあたり、子役のいない音楽座は俳優らの印象に残った梅村君と面接、オーディションを経て出演が決まった。「3年生になれば高校受験で参加できない。ラストチャンスだ」。8月から週末に泊りがけで東京の稽古場へ向かい、出演シーンを繰り返した。

音楽座のホームタウンである東京都町田市で10月に初演。「(共演者に)声の通りがよかったと褒められてうれしかった」と話し、「プロの皆さんに見劣りしないような芝居をしたい」。

公演は午後1時から。全席指定で前売り一般6,000円。学生3,000円。当日は各500円増。チケットは町民会館チケットセンター(63―5181)へ。

小学校時代から積極的、社交的

梅村君は小学生のころから「見知らぬ人に声を掛けたり、率先して人の前に出たりすることに抵抗がなかった」そうだ。中学ではバレーボール部に所属しており、ポジションはリベロ。最近は一歩引いて周囲を見られるようになってきたという。

「メトロに乗って」に出演するには、北部中に承諾を得ることが条件だった。母の友紀さん(39)は「普段できない体験なので、本人が挑戦をしたいと言うのなら、挑戦させてあげたい」と、環境を整えることに尽力した。

「周りの協力に恵まれたと思います。共演する皆さんだけでなく、学校の先生や部活仲間など周りの人々の支えがあることで自分が舞台に立てる、ということを学んで、同じようにほかの人を支えてあげられるような人に育ってほしい」と期待を寄せている。