東海愛知新聞バックナンバー

 9月21日【日】

ニセ電話詐欺に注意!

岡崎署 金融機関に感謝状贈呈

息子をかたった電話をきっかけに、被害者から多額の金をだまし取る手口の詐欺事件が各地で発生している。岡崎署は19日、詐欺を未然に防いだ岡崎信用金庫細川支店に感謝状を贈った。一方で、岡崎市内在住の80代女性が18日までに現金2,500万円をだまし取られたと発表。地域住民に注意を呼び掛けている。(横田沙貴)

岡信細川支店

同支店に8月20日正午ごろ、市内在住の70代女性が現金送金のために限度額を変更したいとキャッシュカードを手に来店。窓口で対応した太田友美さん(24)は、大量の汗を流して、焦っている女性を見て詐欺に遭っているのではないかと疑った。女性を落ち着いて話せる座席に案内し、対応を上司に引き継いだ。

上司が女性から話を聞くと、この日午前0時ごろ、長男(43)と名乗る男から「携帯電話番号を変えた」、10時ごろに「女性を妊娠させた。慰謝料が必要だ」などと複数回電話があったという。その後、上司が女性の了解を取って長男に連絡して詐欺と分かった。

太田さんは「お客様の大切な資産をお守りすることができ、良かった。これからも店内で団結して詐欺を防いでいきたい」、大井祐二支店長(55)は「詐欺が疑われるケースでは最初の対応と、上司への取り次ぎがとても重要。しっかり対応してくれたことがうれしい」と話していた。

鈴川信視署長は「日々の業務が大変な中、敏感な感覚で詐欺と見極めて防いでいただき感謝している。多発する詐欺の水際防止の要として今後も協力してほしい」と述べた。

2500万円だまし取られる

岡崎市内80代女性が被害

現金2,500万円をだまし取られた詐欺事件は同署によると、10日午後8時ごろ、女性方に息子を名乗る男から「変な電話がかかってくるから携帯電話番号を変えた」と電話があった。長男一家が隣家で暮らしていることから、女性は男を別居している次男だと思い込んだ。翌日以降、同じ男から「友人が会社の金1,000万円を使い込んだ。俺も巻き込まれてしまい、横領の罪になる」などと複数回にわたり現金を要求する電話がかかってきた。

女性は自宅に保管してあった現金や市内の金融機関から引き出した現金を11〜18日で4回にわたって、横浜市内の駅ロータリーで次男の代理人、弁護士の見習いを名乗る男に手渡した。金を受け取った男は細身で、茶髪まじりのやや長い髪。黒っぽいズボンをはいて手提げかばんを持っていたという。

19日午前9時ごろ、女性が岡崎市内の金融機関で2,000万円を引き出そうとしたところ、金融機関の職員が不審に思い同署へ通報し発覚した。

同署は

  1. 元の電話番号へ確認する
  2. 知り合いや警察、金融機関に相談
  3. 「電話番号が変わった」などの電話が急にかかってきたら、電話を1度切って110番通報
  4. 1人で決めない、会わない、振り込まない

―などの対策の周知徹底に努めている。