東海愛知新聞バックナンバー

 8月7日【木】

重文「阿弥陀経」など100点公開

家康ゆかりの満性寺

岡崎市菅生町にある、徳川家康とゆかりの深い満性寺(安藤光淵住職)できょう7日から2日間、所蔵する重要文化財や県指定文化財など約100点を、虫干しを兼ねて一般公開する「宝物展」が開かれる。6日は朝から展示準備が行われた。(大山智也)

安藤住職は檀家の8人とともに、宝物庫から彫刻、絵画、古文書などを取り出すと、傷付けないよう注意しながら展示会場の本堂、庫裏、書院、御殿に運んだ。

聖徳太子の逸話をもとに鎌倉時代に作られたとされる、県指定文化財の「南無仏太子像」、平安時代後期に五色九紙を継いで作られた重要文化財「阿弥陀経」、親鸞上人本人が書いた可能性があるとして研究者の注目を集める「双樹林下往生の文」など、貴重な史料が並ぶ。

安藤住職は「近年、虫干しをする寺院が減少傾向にあります。例年は遠方からの来場者が多いので、近隣の人にもぜひ足を運んでもらい、寺や宝物に興味を持ってもらえればうれしいですね」と話した。

満性寺
鎌倉時代の正応2(1289)年に親鸞上人の孫弟子、安藤了専が聖徳太子の像を持参して開創。足利尊氏の開運祈願を受け、真宗教団の中心地になった。松平氏ら武家の信仰があつく、真宗高田派の拠点として、三河一向一揆では徳川家康側に付いた。以後、歴代の徳川将軍が保護した。
現在も鎌倉〜江戸期の宝物を多数所蔵している。