東海愛知新聞バックナンバー

 7月19日【土】

マンガと刀剣の世界

きょうから家康館・岡崎城 著名作家と刀匠がコラボ

漫画やアニメ、イラストを手がける人気作家と刀匠がコラボした作品を紹介する企画展「マンガと刀剣の世界 二次元VS日本刀展」がきょう19日、岡崎公園の三河武士のやかた家康館と岡崎城で始まる。伝統技術と現代の文化が融合した展示が2会場にわたって行われる。作家21人のイラストと刀匠14人の作品計47点の競演が楽しめる。9月23日まで。(横田沙貴)

劇画作家として時代漫画の作画を数多く手がける小島剛夕さんや池上遼一さん、「うる星やつら」「らんま1/2」などの高橋留美子さん、アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」、テレビゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズなどで知られる天野喜孝さん、「怪獣絵師」の異名を取る開田裕治さんらと刀匠のコラボ作品は15点。それぞれ「日本刀」をモチーフに、作中の刀剣を現代の刀匠が再現した。逆に、元々存在する日本刀から着想したイラストもある。

イラストレーター夢路キリコさんの絵を再現した「那由他拵」は、刀匠の親子二代がそれぞれ鍛えたふた振りの刀を大胆に使用。複雑な形状を再現するため、拵は特撮ドラマの小物を制作する職人が手掛けた樹脂製。花で飾られた西洋風のデザインは、日本刀のイメージを一変させる意欲作となった。

また、柄に透かし彫りが施された刀や卒塔婆をモチーフにした刀など、珍しい作品も多い。さらに「過去」「未来」の日本刀をイメージしたイラストパネルも多数展示されている。

作品は自由に撮影できる。「ツイッターやフェイスブック、ブログなどで拡散して、日本刀の美しさや魅力を広めてもらえたら」と展示関係者は話している。

展示期間中は出展イラストレーターのサイン会やオリジナルグッズの販売、プレートへの銘切りもある。2会場共通の入場券は大人510円、小人270円。問い合わせは家康館(24―2204)

岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館など3カ所で昨年夏に行われた企画展の初の巡回展。特に若者に興味を持ってもらおうと、漫画やゲームなどに代表されるサブカルチャーの側面にも焦点を当て企画された。