東海愛知新聞バックナンバー

 7月15日【火】

メロディ パト 10年ぶり復活

岡崎署 作曲・演奏は音楽隊員巡査部長

岡崎署で14日、約10年ぶりにパトカーによる「メロディ・パトロール」が復活した。今年4月、同署に赴任した巡査部長が作曲・演奏。楽曲は20秒で、電子ピアノのメロディーをICレコーダー約30台にコピー録音した。メロディ・パトロールは深夜、早朝、緊急時などを除いた全ての時間帯で、当面最大27台のパトカー・ミニパトで行う。 (横田沙貴)

今年下半期の犯罪抑止や交通事故防止、そして「身近に警察官がいる」という安心感を届けたいと鈴川信視署長が発案。「独特の優しい音色が地域住民に安心を与えてくれるはず」と期待を寄せている。

曲名は「ホタル」。作曲したのは同署生活安全課の黒河雄一郎巡査部長(36)。大阪府出身で、大阪教育大学芸術専攻音楽コースを卒業し、平成14年に愛知県警に採用され、19年4月から21年10月まで県警音楽隊でトロンボーンを担当した。その後半田署に勤務した。

本格的な曲づくりは初めてだという。制作にあたり、岡崎の地方色をと考えた。ゲンジボタルの群生地があることを知り、題材にした。ホタルの光を思い起こさせるような鉄琴の音が印象的な、柔らかなメロディーラインになっている。

14日の出発式では、鈴川署長や山田徳雄副署長、岡崎市総代会連絡協議会の神尾明幸会長、岡崎額田防犯団体連絡協議会の田口竜也会長、署員、安全なまちづくり推進指導員らが出席。メロディーを流すパトカーを見送った。

愛知県警では平成16年4月に、県内の全警察署で音楽を鳴らしながら巡回するメロディ・パトロールを開始。だが、録音したカセットテープや機材の劣化などで実施する署が減り、岡崎署でも行われなくなった。

今年上半期の刑法犯認知件数と交通事故件数は減ったが、車上狙いや部品狙いの増加や、65歳以上の高齢者の事故防止など課題も多く「楽観視はできない」と鈴川署長は話している。