東海愛知新聞バックナンバー

 6月22日【日】

愛着、誇りあるまちへ

岡崎で景観シンポジウム

岡崎市図書館交流プラザ(りぶら)ホールで21日、「岡崎市景観シンポジウム」が開かれた。市民を中心に約70人が出席し、官民一体となって地元・岡崎の景観まちづくりについて議論を交わした。(大山智也)

市の代表として内田康宏市長も出席。冒頭には、市が推し進める景観計画の1つとして、市内を流れる乙川を中心とした「乙川リバーフロント地区」の整備事業を例に挙げ、基本方針や昨年度からの具体的な取り組みについて説明した。

市が昨年度に公募した「第1回おかざき景観賞」の表彰式も行われた。創出景観部門、保全景観部門、景観まちづくり活動部門の3部門に計20件の応募があり、創出景観部門の岡保育園(岡町)と正長刃物店(連尺通1)、景観まちづくり部門の北山湿地保護活動(おかざき湿地保護の会)、鳥川ホタルの里(鳥川ホタル保存会)、松應寺横丁にぎわいプロジェクト(松應寺横丁まちづくり協議会)が入賞。建物の設計者や活動団体の代表者らの関係者に内田市長から賞状が贈られた。

さらに、愛知産業大学名誉教授の小川英明さんが「岡崎市のこれからの景観まちづくりに向けて」と題して講演。都市景観づくりの前提となる景観法の解説を皮切りに、景観に対する意識調査のアンケート結果、今後の人口推移などの具体的なデータを交えながら、将来を見据えたまちづくりの方策を示した。

今後の岡崎の景観まちづくりについては「見た目の変化といった物理的なまちづくりではなく、人の交流・積み重ねによる、誇りと愛着を育むまちづくりへの移行が大切」と結論付けた。

ほかに入賞3団体などによる活動報告もあり、出席者は岡崎の景観まちづくりの現状と課題について理解を深めた。