東海愛知新聞バックナンバー

 6月15日【日】

幸田・本光寺 境内のアジサイ満開

出土したガラス杯を復元展示

「三河のあじさい寺」として知られる幸田町深溝の本光寺で、アジサイが見頃を迎えた。境内や山道では青や紫など涼しげな色の花を楽しむ人でにぎわっている。(横田沙貴)

境内には約15種1万株のアジサイが植えられている。今年は4、5月の気温が上がらず、雨も少なかったため、開花や花の色付きが例年より1週間から10日ほど遅れている。14日現在、境内のアジサイは満開。山門までの参道は六分咲き。同寺によるとアジサイは6月いっぱい楽しめそうだという。

この日は快晴で、雨傘の代わりに日傘を差してアジサイを楽しむ女性の姿が見られた。また、カメラを手に訪れる人も多く、中には三脚やシャッタースイッチといった本格的な撮影道具を用意して、最高の瞬間を狙うカメラマンもいた。

同寺の関係者は「朝5〜6時は、早朝のアジサイを狙うカメラマンが多く見られる。今年は雨が少ないので、日中のアジサイはしおれてしまい、あまり元気がない。雨が降ってくれればいいのだけれど」と話していた。

30日まで「本光寺紫陽花まつり」を開催中。駐車場では新鮮な地元の農産物やアジサイの苗木などが販売されている。肖影堂が開扉され、宝物館の一般公開が行われている。

宝物館では深溝松平家七代忠雄の墓所から出土した「エナメル彩祝婚青色ガラス杯」を復元したガラス杯も初めて展示されている。

町教育委員会がイタリアのベネチア・ムラーノ島のセグーソ・ジャンニ工房に復元を依頼し、今年2月末に完成した。墓所から出土したガラス杯は16世紀ごろのベネチアガラスの技術を使って作られており、復元品も当時の技法で作られた。

宝物館の拝観料は300円。午前10時〜午後3時。月曜休み。