東海愛知新聞バックナンバー

 6月5日【木】

岡崎・長岡和慶さん 仏師紹介本に

実績、技が高レベル

岡崎市東牧内町に工房を構える石彫家・長岡和慶さん(58)がこのほど、インデックス社が発行した書籍『蘇る仏師の世界―仏を彫る』で、実兄・き山さん(62)とともに紹介された。12人の仏師(仏像制作者)の中で、石彫家は長岡兄弟だけ。和慶さんは「石彫家が選ばれたことはとてもうれしい」と喜んでいる。(竹内雅紀)

書籍は、全国30社120店舗が加盟する全国優良仏壇専門店会が不定期に発行する広報誌「時遊自観」で連載された特集を元に編集。長岡兄弟以外の10人は木彫家が紹介されている。和慶さんは平成23年6月の同誌に載った。

和慶さんは「仏像の一般的なイメージは木彫。石彫がそこに入り込んだことには意義がある」と言う。この30〜40年間で工具が発達し、石彫も木彫のような精巧な作りが可能になった。「木彫にも劣らない技術が認められたという思いは強い」と感想を語る。

和慶さんは北海道滝川市出身。兄・き山さんに誘われて22歳で脱サラし、岡崎で5年間修業。昭和58(1983)年に独立した。これまでに650体以上を制作。「石と思えば仏は作れない。石の中に仏を見ようとするから作れる」などをモットーに、前例のない創作品を主に取り組んでいる。

英・大英博物館やドイツのライプチヒ民族博物館に作品が収蔵され、き山さんとともに大津市の三井寺、京都市の三千院から「大仏師」の称号を受けている。

インデックス社編集者は「実績、匠の技は高いレベルにあり、木彫の一流仏師に匹敵する」と評価している。

B5判、全面カラー。140ページ。2,160円。問い合わせは、同社(03―5818―0591)へ。