東海愛知新聞バックナンバー

 2月16日【日】

思考力高める授業

岡崎市連尺小
算数科の研究発表に350人

岡崎市連尺小学校は今年度から、これまで国語科を通して育ててきたコミュニケーション能力を、算数科で必要な思考力を育てるために生かす研究に取り組んでいる。14日には「ESDの視点に立ち、算数を楽しむ子どもを育む岡崎・連尺教育―コミュニケーション能力を確かな思考力へ」をテーマに研究発表会を開いた。

■連尺モデルに関心

全国的な大雪にもかかわらず県内外から教育関係者約350人が訪れ、「岡崎・連尺モデル」の提案などに強い関心を示した。

算数・数学科専攻の太田恭子校長は長い教員生活の中で「教師の本分は授業にある」「教科書を大事にする」「子どもに数理発見の楽しみを味わわせたい」の3つを常に考えてきた。今回提案した、問題解決的に思考力を高める1時間の授業モデル「岡崎・連尺モデル」は、太田校長の教員生活の集大成と言える。

この日、5年1組では、「1万5,000円の商品を10%引きで売ると売り値はいくらか」を問題に授業が始まった。T・T(チーム・ティーチング)で指導する天野美子教諭と春原静枝教諭は、「10%引きの売値が元値の0.9倍」であることに気付くように子どもたちの多様な考えを引き出しながら話し合いを深め、子どもたちは「売り値が元値の0.9倍になること」を理解できた。

参加者の1人は「45分を意識したすきのない授業計画の中で子どもの発想や発言を生かして展開する『連尺モデル』は参考になりました」と話した。(岩月健)