東海愛知新聞バックナンバー

 1月19日【日】

苦い経験 次の一歩へ

岡崎商高 ネット販売結果を検証

■県内唯一の楽天IT学校

愛知県内で唯一の楽天IT学校に選ばれている県立岡崎商業高校で17日、最後の電子商取引授業が行われた。情報処理科3年生30人が考案してインターネット上で実践販売したコメの売上結果が発表され、成果を検証した。(竹内雅紀)

ポータルサイト運営会社「楽天」の社員が講師を務める授業は昨年6月にスタート。6チームに分かれた生徒は、岡崎市中島町の米穀店「足立米穀店」の協力のもと、同社がインターネットショッピングサイト「楽天市場」で販売する3種類のコメを使って、さまざまな付加価値やウェブページデザインを考案した。販売実践は昨年12月3日から1カ月間だった。

最後の授業では冒頭でチーム別の売上金額と売上個数が発表された。売り上げのトップは、シンプルに北海道産「ゆめぴりか」の魅力を伝え、高校生がいる家庭をターゲットにした男子チーム。10キロ(5キロ×2袋)5,000円で販売。4人が腕組みをしたり、頭を下げたりした写真を掲載しながら商品の魅力を伝えた。8個販売で3万8,096円。「苦労した分、1位はうれしい。男気を見せようと思った」と振り返った。

しかし、トップの男子チームをはじめ、全チームが目標には及ばず厳しい現実をつきつけられた。楽天の森川麻衣子さんは「ネットに商品を載せただけで売れるとは限らない。卒業してもこの苦い経験を忘れないでほしい。結果を受け止め、客観的に検証して、改善する努力がビジネスには必要」と訴えかけた。生徒たちは残った時間で改善点を話し合った。

授業に同席した足立米穀店の足立和重さんは「失敗した後に改善するというのが大事。見ず知らずの人に自分たちが考えた商品を買ってもらった喜びはあったと思う。次の一歩を期待している」と話した。

28日には東京で行われる楽天主催のイベントで生徒代表がプレゼンを行う。