東海愛知新聞バックナンバー

 12月21日【土】

岡崎市民会館 改修を決定

工事費22億円
“セルビ跡地構想”見直し

岡崎市は20日、老朽化が進む市民会館を改修することを発表した。新文化会館構想の有力候補だった康生西地区のセルビ跡地は当面の間、市図書館交流プラザ(りぶら)の駐車場になる。市民会館は平成27年9月から休館し、翌28年10月にリニューアルオープンする予定。(竹内雅紀)

市民会館は昭和42(1967)年に建設された多目的ホール。築45年以上が経過して老朽化が進んだほか、1556席のホールは、舞台の奥行きや客席の狭さ、音響の問題が利用者から寄せられていた。

今回、市が公表した整備方針によると、施設の安全性確保に約13億5,000万円、機能向上に8億6,000万円の計22億1,000万円の工事費で、20年以上の耐久性があると判断された施設を改良する。

建物は取り壊さずに内装を整備。舞台を前に拡張、客席は1290席に減少する。現在、1000人以上の規模の利用率は年間約16%と少なく、座席減少でもカバーできるとしている。座席幅は5センチ広げて52センチにしてゆとりを持たせる。

入り口の扉は二重構造にして音の漏れを防ぎ、壁に拡散・反射パネルを設置、耐震対応のため既設天井を外して音の拡散や残響時間を向上させる。このほか、楽屋を増設し、バリアフリー対策として会議室棟やリハーサル棟にエレベーターを設ける。

また、北側駐車場を18台分増やし、約300メートル南の市営篭田公園地下駐車場(210台)を3時間無料化。最大で476台分の駐車場を確保する。幅が狭い市民会館南交差点も改良する。

市民会館とせきれいホールの代替施設として10年間検討されてきた新文化会館構想については、9億5,600万円で用地取得したセルビ跡地が有力候補地だったが、1500席の大ホールと500席の中ホール、500台分の駐車場―の想定は、面積不足、100億円以上のコスト、周辺の交通渋滞などから物理的に困難と判断した。今後は暫定利用という形でりぶらの駐車場に。160台分が確保でき、たびたび満車となるりぶらの駐車場不足解消にもつなげる。

昨年の市長選で、新文化会館構想に否定的だった内田康宏市長は記者会見で「これまでの新文化会館構想は白紙に戻すつもりだ。複合施設を検討したい」と述べた。また、市民会館の改修もあって、28年7月1日の市制施行100周年記念式典は岡崎中央総合公園で行うことも明言した。