東海愛知新聞バックナンバー

 6月16日【日】

テープ再生機で究極の音

英 音響技術者が披露

岡崎市中町の長誉館で14日、会員制の「アナログレコードコンサート」(岡崎丸石蔵部主催)が開かれた。アナログレコードの音を楽しもうと昨年10月に始まった月1回のコンサートには約50人が参加。今回は英オーディオメーカーEAR社のCEO(最高経営責任者)ティム・デ・パラヴィチーニさん(67)がゲストに招かれ、テープを使った再生機(オープンリールデッキ)で“究極の音”を披露した。

パラヴィチーニさんは世界でも有数のオーディオ界のエンジニア。ビートルズやエアロスミスなどがアルバム収録を行うスタジオに自身が改良した機材(テープマシンなど)を導入している。また、平成6年のグラミー賞で、最優秀ワールドミュージックアルバム賞に選ばれた「A Meeting By The River」ではレコーディングの技術コンサルタントを務めた。

現在来日中のパラヴィチーニさんは、スタジオで使用するレベルに改良したオープンリールデッキを会場に持参。会場に設置してある同社のアンプ(4機)と米JBL社のスピーカー「ハーツフィールド」を通してジャズやクラシック曲を流した。会場に響いた音色はどれも高音質で、会員らは目を閉じて聴き入っていた。

「これだけの機器がそろっている会場はあまりない」と丸石醸造・深田達彦社長のコレクションに驚きながら、「レコードも素晴らしいがテープの方が力強くて音圧があり、聴き疲れしない。最近はデジタルに押されているが、アナログという気持ちいい音をこれからも楽しんでほしい」とメッセージを送っていた。(竹内雅紀)