東海愛知新聞バックナンバー

 6月14日【金】

会員確保に全力

44年目の岡崎演劇鑑賞会

会費制で年6回、岡崎市民会館で芝居を楽しむ団体「岡崎演劇鑑賞会」(岡田亮一会長)が44年目に入った。一時は2000人超の会員がいたが、現在は約4分の1に減少。「岡崎の演劇文化発展に寄与し、市民の心を豊かにできたら」と関係者は会員の確保に全力を注いでいる。(竹内雅紀)

岡崎演劇鑑賞会は昭和45(1970)年に「岡崎勤労者演劇協議会」(岡崎労演)の名称で発足。名古屋演劇鑑賞会員に岡崎市民が約400人いたこともあり、「岡崎でも演劇が見たい」という思いが高まっていた。

当時は労働組合の文化活動として「各地に労演を」という流れもあった。20、30代の若者十数人が中心となり、前年の12月に会員を1000人集めた。45年6月に発足例会で俳優座の「小市民」を開き、会員数は1170人だった。58年に現名称に変更。時代の変化とともに労組色が弱まり、市民の文化活動へとシフトしていった。

会員数は例会ごとに変動する。51年10月には497人と最少になり赤字へ転落。会員手帳作成を通して各自の意識向上に努めた結果、平成10年には2052人にまで増えた。市民会館だけでは収まらず、幸田町民会館との2会場制になり、22年に幸田演劇鑑賞会が発足、分離した。

これまでに278回の定例公演を実施。仲代達矢さんや宇野重吉さん、山本圭さん、杉村春子さん、八千草薫さん、栗原小巻さんらが出演している。

直近の6月例会(7日)時の会員数は521人。会員の8割が年配女性で、会員の高齢化が進んでいる。学生の演劇への興味が薄れていることや不安定な経済情勢、趣味の多様化などの要因が会員獲得の壁になっているという。

立ち上げメンバーの1人でもある76歳の岡田会長は「芝居好きの私にとっては生活の一部。ただ芝居を見るだけではなく、出演者と交流したり、運営を手伝ったりする楽しみもある」と話し、「岡崎の文化の発展、市民の心を豊かにさせるためにも使命感を持って頑張りたい」と会員600人超えを目標に掲げている。

会では3人以上のグループを「サークル」と呼び、サークルに加入した上での会員登録を推奨している。入会金は一般2,500円、学生以下1,000円。会費は月額で一般2,500円、学生1,300円、高校生以下900円。

問い合わせは、同会事務局(22―4693)へ。