東海愛知新聞バックナンバー

 2月19日【火】
岡崎市当初予算案

一般会計1063億円

大型事業完了で前年度下回る

岡崎市は18日、平成25年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比4.8%減の1,063億7,000万円、特別会計は2.1%増の578億5,266万6,000円、企業会計は9.0%増の524億9,518万9,000円。総額は0.1%増の2,167億1,785万5,000円で前年度並みの予算規模となった。翔南中学校新設や名鉄東岡崎駅橋上東改札口工事などの大型事業完了で建設事業費が大幅に減少したため一般会計は前年度を下回った。就任後初の予算編成をした内田康宏市長は「活力ある岡崎の未来を創る予算」と名付け、市長選で掲げた公約の推進や足場固めに意欲を見せた。(竹内雅紀)

■市税3.9%増収

一般会計は過去7番目の規模。歳入の柱となる市税収入は3.9%増の628億9,007万2,000円。円安効果などで若干の景気回復が見込めることから市民税は個人、法人とも増収となり、自主財源比率は7割を超えた。一方で、国庫支出金は道の駅「藤川宿」や翔南中の完成で11.7%減、財産収入も前年度ほど市有地売却が見込めないため18.0%減。財源不足の補てんは基金の繰り入れや市債発行で対応するが、市税増収でともに減額。特に市債は約半減の34億8,800万円にとどまった。

歳出は、悠紀の里歴史・文化伝承ゾーンや宮崎学区市民ホーム、若松保育園などの「完成物」のほか、新防災マップの全戸配布、住宅用太陽光発電を促進する新エネルギー設備等購入費補助、市制100周年を見据えたシティプロモーション推進などソフト面の充実にも配慮した。

主な新規事業は、高齢者肺炎球菌ワクチン接種、岡崎商工会議所と連携して開設するビジネスサポートセンター運営費、8月10日から始まるあいちトリエンナーレ2013の会場運営費などを計上。昨年、市が休止した五万石おどり・みこしは市民主導型に生まれ変わり、新年度は一昨年までの主催時の運営費(2,800万円)に近い補助金を充てた。また、内田市長の公約でもある私学助成、岡崎活性化本部、リバーフロント計画に関する予算も計上された。就任初年度の予算編成は公約推進のための基礎づくりといえる。

特別会計は昨年末に閉館した市民休養施設桑谷山荘会計が廃止になり11会計に。主に後期高齢者医療、介護保険会計が増加した。企業会計は7月完成、10月稼働予定の新病棟の関係で病院事業が7.9%増。水道、下水道事業はともに10%増となった。

今回は24年度補正予算案(3月補正)も合わせて発表された。国が3月補正と25年度当初予算を一体とした緊急経済対策を進め、主に公共事業を中心に臨時交付金が交付される。そのため、市は本来であれば当初予算に計上するはずの矢作西小学校プール施設整備費1億5,670万円をはじめとする17事業計33億1,878万7,000円を3月補正に前倒しして予算計上した。