東海愛知新聞バックナンバー

 1月18日【金】

電子回覧板

岡崎 細川学区で実験スタート
独り暮らし高齢者に端末

岡崎市細川学区で17日、地域の連携強化や活性化のために、70歳以上の独居高齢者が情報端末(タブレット型パソコン)を活用する社会実験「細川学区ブロックページプロジェクト」が始まった。3月21日までの2カ月間、対象の40人は時代の最先端のデジタル端末の操作を“日課”として生活する。(竹内雅紀)

プロジェクトは、名古屋工業大学コミュニティ創成教育研究センターが主催、市社会福祉協議会や学区関係者が協力。市中心部から離れ、地域福祉活動が盛んなことから同学区が選ばれた。昨年7月から協議を始め、端末内容や画面文字の大きさなど、さまざまな要望を聞きながら改良した。

端末は富士通製で縦約18センチ、横約26センチ、厚み約1センチ、重さ約600グラム。液晶画面は10.1。学区内100世帯へ配布された。内訳は、独居高齢者に40台、民生、福祉委員に30台、地域の役員やPTAらに30台。全て富士通とNTTドコモ東海支社からの無償貸与。ごみ出し日や町内の催事など細川学区に特化した情報が載っており、閲覧者は情報共有できる。情報は民生、福祉委員が更新。情報提供者の多くが60歳以上というのも特徴だ。

■安否確認や買い物も

独居高齢者は、端末起動時に3択式の健康状態(体調)を回答。民生、福祉委員が端末を通して、日々の状態を知ることができ、不調が続けば担当者が高齢者宅を訪問する。買い物画面では学区内のスーパーにつながり、購入希望商品を電子注文でき、商品は自宅まで配達される。

回覧板機能では、岡崎市全体、学区、町内の情報が掲載されるほか、災害時の緊急連絡や慶弔連絡もある。学区内限定のテレビ電話、ゲーム機能も付加されている。こうした多機能サービスの社会実験は全国的にも珍しいという。

この日は学区市民ホームで説明会が開かれ、主催者が対象者に操作方法を伝授した。細川町の太田スズエさん(79)は「初めて触ったけれど、やってみると面白い。いろいろと覚えたら役に立ちそう」と笑顔だった。