東海愛知新聞バックナンバー

 9月15日【土】
「岡崎五万石」歌い優勝

清水さん 努力を重ね栄冠

民謡愛知・岐阜大会高年の部で

岡崎市中之郷町の清水寿子さん(69)が、このほど安城市内で開かれた公益財団法人日本民謡協会(三浦朱門理事長)の民謡民舞愛知・岐阜県連合大会の民謡高年第一部で「岡崎五万石」を歌い、見事優勝した。清水さんは来年10月、東京の両国国技館で開かれる全国大会に出場する。(大津一夫)

夫婦で詩吟を習っていた清水さんは50歳を前に「生涯楽しめる趣味を持とう」と、三味線を習うつもりで髙橋流渡辺会(髙橋伝次郎会主)に入会。岡崎五万石を歌うことになった。

「稽古は声の出し方や歌うときの姿勢など、先生の指導はとても厳しかった」と振り返る。清水さんは現在、渡辺会では「皆伝」の資格を持ち、「髙橋和紀祷」の名前で活躍している。

平成18年には髙橋さんが副会長を務める岡崎五万石保存会に参加。同会が開催している岡崎五万石を習う講座にも、欠かさず出席している。

「歌詞も節回しも品が良く、いつも背筋を伸ばして歌わなくてはいけません。どの歌詞も気を抜くことができない。それが岡崎五万石の魅力です」という。

民謡高年一部は67〜71歳が対象で、21人が出場。初出場の清水さんは「先生に言われた通りに歌おう」と思って舞台に上がった。

全員が歌い終わり、結果が掲示されても見に行かなかった。仲間から「最高得点だよ」と知らされびっくり。「これまでの生涯で一番うれしかった」と笑顔で話す。

指導している髙橋さんは「全国の民謡が歌われた中で、地元の『岡崎五万石』が評価されたのがうれしい。清水さんは20年間コツコツと努力を続け、それが優勝につながった」とたたえた。

清水さんは「これからも、声が出るかぎり歌い続けたい」と話している。