東海愛知新聞バックナンバー

 10月14日【金】
知的障害者の国際大会

■岡崎の中川さん「金」

陸上競技では日本人初の快挙

三菱自動車岡崎工場に勤務する中川大輔さん(21)=岡崎市小針町=が、知的障害者の国際スポーツ大会「第3回INAS-FIDグローバルゲームスイタリア大会」(9月23日〜10月5日)の陸上男子5000メートルで金メダルを獲得した。知的障害者の国際大会で、日本人が陸上競技で金メダルを獲得したのは史上初めて。「レース途中からいけると思った。周りのみんなが喜んでくれてうれしかった」と振り返っている。(竹内雅紀)

5000メートル決勝には19人が出場。レース途中まで5人で先頭集団を形成していたが、ラスト3周(残り1200メートル)の地点で中川さんがロングスパートを仕掛けた。タイム15分16秒68は自己ベストで日本新記録。ラストスパートに自信がなかった中川さんにとっては、早めのスパートが功を奏した。通常はコーチの指示でスパートを掛けるが「自分の勘でいけると思った」と確信し、「後続は気にしなかった」と独走してガッツポーズでゴールイン。

会場で見守っていた母直美さん(55)は「予想外の記録。まさか金メダルだとは思わなかった」と、息子の会心のレースについて語っている。

中川さんの次の目標は、来年のロンドン・パラリンピック出場。ただし、陸上のトラック種目には5000メートルはなく、1500メートルしかない。現在、週3回の練習も1500メートルに絞っている。今大会では1500メートルにも出場したが、結果は10位。来年3月までに公認大会での参加標準A記録(4分5秒80)突破が必要となる。5000メートルの世界王者は「頑張ってパラリンピックにも出たい」と、闘志をみなぎらせている。


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