東海愛知新聞バックナンバー

 2月7日【日】

吉田正記念オーケストラ

20日 幸田町民会館で演奏会

■町民らのコーラス隊も出演

昭和の歌謡界で次々にヒット曲を発表した吉田正さんを記念するオーケストラのコンサートが20日、幸田町民会館さくらホールで開かれる。これに関連して同町立図書館ギャラリーで6日、企画展「歌謡曲とともに綴(つづ)る戦後昭和史」が始まった。昭和30年代の「茶の間」が再現されているほか、ヒット曲のレコードジャケットが展示されている。(竹内雅紀、大津一夫)

20日のオーケストラ公演には、幸田町や岡崎市在住の73人(男性22人、女性51人)がバックコーラス隊として参加。吉田さんのヒット曲「異国の丘」を歌う。ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの3パートに分かれた平均年齢70歳のコーラス隊は1月中旬から練習を積んでいる。

5日夜には、オーケストラ指揮者の大沢可直さん(59)が練習場所の幸田町民会館を訪れ、指導に当たった。大沢さんは、「『異国の丘』は国に帰るまで頑張ろうという励ましの歌だが、勇ましさよりも情緒的に歌おう」と呼びかけた。ユーモアを交えた軽妙なトークで参加者をリラックスさせながら、息遣いなどの技術面や、「気持ちを込めて」と精神面まで的確なアドバイスを送った。

普段からコーラスで歌っている橘英代さん(68)は「ただ単に歌うだけでなく、歌を通して心を伝えたい」、夫婦で参加している山口正一さん(71)さんは「昔から知っている歌だが、編曲されている部分は難しい。とにかく楽しんでやりたい」と、参加者はさまざまな思いを抱いている。

指導に当たる同町出身の声楽家伊藤貴之さん(31)は「皆さんの熱い気持ちが伝わってくる。それぞれのパートが調和し、一体感を感じ取ってほしい」と期待を寄せている。

コンサートは午後2時開演。ゲストに三田明さんが出演。「美しい十代」などのヒット曲を歌う。

入場料は4,000円。町民会館チケットセンターなどで販売している。

■町立図書館で懐かしい戦後昭和史展

吉田正さん(1921-98年)は茨城県日立市生まれ。「誰よりも君を愛す」「いつでも夢を」で日本レコード大賞を受賞。ほかに日本著作権協会の会長などとしても活躍し、平成10年に国民栄誉賞を受けた。

町立図書館ギャラリーで開かれている展示会は、こうした吉田さんのヒット曲が生まれた戦後の庶民生活を、歌謡曲を織り交ぜながら振り返ろうという企画。

フランク永井が歌った「大阪ろまん」、美空ひばりの「真っ赤な太陽」などのレコードジャケットを展示。

昭和30年代の茶の間を再現したコーナーには、ちゃぶ台、手動のチャンネルが付いたテレビ、火鉢などが置かれている。

展示された「原付自転車」の前で、男性(66)が「20歳前に、人に借りて乗りました。懐かしい」と振り返っていた。

この日は会場で、昭和23(1948)年に発売され竹山逸郎が歌った「異国の丘」が、ポータブル蓄音機で再現された。

ほかにキャラメル、医薬品などのホーロー看板や、東海道新幹線の発車、東京オリンピックなどの写真パネルも並ぶ。これらの展示品は日立市の吉田正音楽記念館や町内外の収集家から借りた。

同展は20日まで。


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