東海愛知新聞バックナンバー

 7月26日【日】

2回で閉幕なぜ?

困難伴った運営・資金集め
実行委代表・山森さん
「岡崎100セミ」奮闘記出版
今後の市民活動に役立てば

誰でも「先生」「生徒」になって、教え合う学び合い生涯学習イベント「岡崎100セミ」の実行委員会代表を務めた山森操子さんが、『「100セミ」の話を今…「市民協働」奮闘ものがたり』を出版した。平成18年に市民協働モデル事業としてスタートした「100セミ」が、2回で幕を閉じた経緯を詳細に書いた。

山森さんの出版の目的は大別して3点。「3回目を開催できなかったおわび」と、応援してもらった関係者と市民に「100セミ開催で学んだことを記録に残して伝える」ことに加え、実行委メンバーの1人として活動した「故大原みりんさんへの感謝」。

初回は18年6月。100セミは“百講座のセミナー”の略称で、今も名古屋で続けられている愛知サマーセミナーがモデル。「学社融合により、子どもたちの“生きる力、人間力”をはぐくむ」ことを目指した。2回目は19年10月だった。

企画と組織づくり、講師募集、資金集めから事業実施、反省交流会まで「100セミ」開催には大きなエネルギーが必要だった。山森さんは、壁を越えられなかった原因として(1)組織運営のまずさ(2)資金調達と広報活動の行き詰まり―などを挙げた。困難を克服しようと奮闘する実行委の姿は、本文に添付した多くの資料でも明らかにされている。

多くの人から「3回目は?」と尋ねられたが、働き始めてからは実行委代表を他の人に託すこともままならなかったという。

山森さんは、大原さんと愛知大学同窓会で知り合った。大原さんは生涯学習イベントを「100セミ」と命名し、「100セミ新聞」の編集などで実行委を支えたが、今年1月死去。大原さんが山森さんにファクスで送った文章やマンガを多数掲載し、大原さんの足跡を記録した。

本は行政とのかかわり方を含め、市民による貴重な「奮闘ものがたり」になっている。山森さんは「これから市民活動をする方に私達の経験が役立てば」と話した。

岡崎の情報文化社(23―3298)発行。A5判、196ページ、1,200円。

正文館書店・シビコ店、岡崎書房本店・東岡崎駅店、いまじんウイングタウン店・岡崎インター店、けやき書店、鎌倉書房岡崎店・岡崎南店、ホリホック書店で販売。


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