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東海愛知新聞

伊賀川にアユが来た

岡崎城の西上流1キロ
「初耳」と漁協関係者

 岡崎城の西を流れ、乙川に注ぐ伊賀川にアユが来た。中学校教諭がワナを仕掛け、このほど1匹捕獲した。内水面の漁協関係者や流域の人たちは「アユは汚れた川にはすまない。清掃、美化活動や浄化運動で伊賀川の水がきれいになった証拠だ」と喜んでいる。
 「セルビン」というワナを仕掛けたのは岡崎市福岡中学校の理科担当教諭篠原正樹さん(45)。場所は、伊賀川河口から約900メートル上った柿田橋の上流約150メートルの右岸で、福寿町の福寿稲荷神社西側。川底には大小の石があり、平常時の水位は10―40センチほど。
 今月10日午後、知人で同市八帖北町の会社役員三輪佳二三さん(65)から「アユが泳いでいる」と連絡があった。篠原さんは22日午後4時過ぎ、サナギ粉と小石を入れてセルビンを沈めた。セルビンは透明プラスチック製で長さ30センチ、直径15センチの円筒状。底の穴から餌のにおいにつられて魚が入り込む。
 翌23日午後1時過ぎに引き上げると、オイカワ3匹、モロコ3匹、エビ1匹に交じってアユが1匹。体長約10センチでやせていた。篠原さんは写真を撮ったが10分ほどで死んだ。冷蔵庫で保管、近くホルマリンに浸して標本にするという。
 三輪さんは「10日に孫と魚取りに来て死んだアユをすくった。ほかに2、30匹いて、体をくねらせ腹がキラッキラッと光った。散歩で来る場所だが、昨年まではアユを見かけなかった」。
 また、セルビンを仕掛けた川岸のすぐ上、堤防道路沿いの城北町、自営業保坂正博さん(59)も、河川敷を犬と散歩しながら川をのぞき、魚が多くなったことに気付いていた。10日に三輪さんらが魚取りをしているのを見ており、22日には川岸で篠原さんと話し込んだが、「まさかアユがいたなんて」。
 篠原さんが撮ったカラー写真を見た岡崎市漁協の黄木勝敏副組合長(65)=小美町=は「あごの発達具合から天然アユだ。やせているのは餌を十分食べていないからだろう」と言う。
 同漁協は乙川の中流域を管轄。国道1号に架かる大平橋下の大平堰(ぜき)下流で4、5、7月に計3回、380キロのアユを放流した。今季、矢作川を遡上(そじょう)した天然アユは600万匹以上(6月末まで・豊田市水源町、明治用水頭首工左岸魚道=矢作川天然アユ調査会調べ)。
 「まだ遡上は続いている」と黄木さん。「放流ものが下って伊賀川に入ったというより、天然アユが矢作川から乙川、伊賀川へと上ったのだろう。アユは汚れた川を嫌う。水がきれいになった証拠でしょう」
 乙川上流部と男川をエリアにする男川漁協内田甫組合長(71)=生平町=も「初耳だ。いいニュースですね。伊賀川をきれいにしようと多くの人が活動しており、成果が出たのでしょう。私たちは、子どもと大人が川遊びや釣りを楽しめるようにと願っている。アユが泳げる川になったのは大変喜ばしい」と語った。


■清掃や浄化活動の成果c

 伊賀川では、「伊賀川を美しくする会」が昭和47(1972)年から活動を始め、流域の六学区を挙げて堤防の草刈りや川の掃除、河川パトロールを続けている。
 さらに「岡崎額田EMひろば」が平成15年から伊賀川へ流れ込む小呂川の支流、ミタライ川や砂田川にEM(有用微生物群)活性液やEMだんごを入れ、EMぼかしを詰めた袋を川に置いている。
 篠原さんによると、EMは酵母や乳酸菌など約80種の混合物。ヘドロなどの有機物を分解して悪臭を消し、微生物が繁殖しやすい水にする。微生物が増えると、それを餌にする魚が帰ってくる―という食物連鎖を復活させる効果がある。
 三輪さんは「私も篠原さんとEMの活動をした。戦後しばらく伊賀川は汚れていたが、環境への関心が高まり、下水道完備と河川浄化が相まってアユが来たのでは」。
 保坂さんは「伊賀川堤防沿いの家屋移設計画がある。整備に伴って川岸をコンクリート擁壁で固めてしまうと、魚がすみにくくなるのではないか。行政に配慮をお願いしたい」と強調した。

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