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東海愛知新聞

女性白バイ隊員が活躍

夢を実現 使命に燃える   県第2交通機動隊

 県警第2交通機動隊(岡崎市矢作町)の若手女性白バイ隊員、森田依代巡査(23)と澤田明子巡査(26)が、交通安全教育チーム「あゆみ」の一員として奮闘している。現在、県内の死亡事故は全国トップ。子どものころから白バイ隊員になるのを夢見てきた2人は「交通安全を広め、ワースト記録に歯止めをかけたい」と使命に燃える。

願いは「安全運転」
森田巡査
 中学3年生の修学旅行だった。東京都警視庁の見学で目の当たりにしたのは、庁舎内の一角に展示された殉職者の遺品の数々。事件か事故か、その中にあった血染めの制服を前に抱いたのは、命を落とすかもしれない仕事への「恐怖」ではなく、命を守る使命への「憧れ」。警察官になる決意を固めた。
 高校卒業後、乗りたかったバイクの免許を取り、念願の警察官に。警察学校で受けた白バイ隊員の認定試験にも合格した。初めての配属先は安城署交通課。赴任した翌年、隊員に必須の大型自動二輪を取得した。
 第二交通機動隊へ異動して、もうすぐ1年。250キロを超える白バイを引いて坂道を駆け上がる特訓は、さすがに苦戦する。休暇に出てきて訓練することも。支えとなるのは「少しでもドライバーに安全運転を心がけてほしい」という願いだ。
 講師で呼ばれる一般ライダーを対象とした講習では、会場に居合わせた女性ライダーから運転について相談を受ける。車やバイクの運転はまだ先の園児たちには、信号の見方や横断歩道の渡り方といった交通ルールを説く。幼い時から意識させれば「将来、事故の犠牲者は必ず減る」と信じている。

「正義の味方」に憧れ
澤田巡査
 「かっこいい」。テレビでマラソンを見ていた女児の瞳にはいつのまにか、トップランナーではなく、選手たちを先導する女性白バイ隊員が映っていた。女性も白バイ隊員になれる、と知った。
 それから15年余り。「恥ずかしいんですけど」と前置きし、「ずっと『正義の味方』に憧れてきました」と、照れくさそうに打ち明ける。
 いじめを嫌う体育会系。高校3年生の時、体育教師か“正義の味方”警察官かの進路に迷った。「教えることが好きで、一度は教師を目指しました」
 大学に進学して教員免許を取ったが、教育実習での感想は「違う」。何かが引っかかった。
 「正義の味方」は「人の命を助ける仕事」。いつか見た、女性白バイ隊員への憧れがよみがえり、「死亡事故を減らしたい」という目標ができた。
 大学を卒業し、警察学校で白バイ隊員の認定試験に合格。警察官の第一歩を中川署交通課から踏み出し、大型自動二輪の免許も取った。あれから約3年。
 「両親と重なって見えるから」と、高齢者の死亡事故防止を特に願う。お年寄りの交通安全教室は「みなさん、真剣に聞いて質問してくれます」と、やりがいを感じる。

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