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東海愛知新聞

カワニナホタル幼虫飼育の水槽設置

わき水をかけ流し
来春放流まで観察・管理    岡崎・ちせいの里「せせらぎ愛好会」

岡崎市茅原沢町の住宅地・ちせいの里で、ゲンジボタルの幼虫の人工飼育に取り組んでいる住民組織「せせらぎ愛好会」が、住宅地東側の蛍流公園に整備した〈ホタルの里〉に、ホタルの餌にするカワニナと幼虫の飼育水槽を設置した。より自然に近い環境で育てることが狙い。愛好会の代表・丸山健さん(42)が自宅で飼育中の幼虫を、今月末をめどに水槽に移してカワニナや幼虫の成育状態を観察し、来年4月の放流に備える。
 水槽(プラスチック製=通称プラ舟)は3つ。1つは丸山さん宅から持ち込み、2つを購入。今月2日、丸山さんと愛好会の会員4人で設置した。カワニナ200匹以上と、カワニナがなめてカルシウム分を補給するカキ殻を入れ、プラ舟を階段状に並べて背後の山林の清水をパイプで導いた。
 「かけ流しだから水が腐らないし、水温も安定します。ただ、水温がまだ低いからか、カワニナの活動が鈍く餌の食いが良くない」と丸山さん。カワニナが成長し、幼虫の餌となる稚貝を産むのに適した水温は、15度以上で24度程度までだという。  丸山さん宅では、メスの成虫3匹が産んだ卵から、これまでに約1,300匹が孵ふ化かした。死ぬのも多いが、プラ舟の水温をみながら幼虫を移す。
 また、プラ舟に多くの酸素を溶け込ますため、小さな穴を開けたパイプを取り付け、水をシャワー状にして落とすことにしている。
 歯科医師の丸山さんは診療後の夜間と休日の木曜日に、成育観察・管理をする。餌のカワニナの数が足りるかどうか、成育状態は良いかなどのデータを取り、来年の飼育に役立てる。
 今後は、[1]カワニナの成育に必要な直射日光を1日4時間程度確保する[2]せせらぎにドロが流入するのを防ぐため下草を茂らせる―ことが課題だが、周囲の林を間伐するなどの環境整備には、山林の持ち主ら関係者の理解が必要で、粘り強く慎重に進めていきたいという。

 丸山さん宅で飼育し、愛好会が今年4月、せせらぎに放流した幼虫は15匹。光の舞いが見られたのは10匹ほどだった。自然界の低い羽化率からすると、ほとんどは、これまで4年間に放流したものが世代交代して自然発生したらしい。

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