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東海愛知新聞

岡崎ちせいの里
愛好会発足から4年

“ヤマモト”ボタル飛んだ

岡崎市茅原沢町の住宅地、ちせいの里の〈ホタルの里〉でゲンジボタルが飛んでいる。「これは自生の“ヤマモト”ボタルに違いない」。ちせいの里「せせらぎ愛好会」の代表、丸山健さん(41)らは、愛好会発足から4年目の夏、ホタルが放つ幻想的な光に感慨深げだ。
 ホタルの里が住宅地東側の蛍流公園奥に整備されたのは、平成14年3月。背後の山林からわき出る水を引き込んだ。このとき中心になったのが初代の愛好会代表、山本康政さんだった。幼虫や餌のカワニナは学区内の河合中学校からもらい受け、4月に放流した。
 しかし、山本さんは翌年2月に死去。飛び交うホタルを見たのは、ひと夏だけだった。会員は山本さんの遺志を引き継ぎ、昨年夏は初めて、丸山さんが自宅庭で産卵させ飼育した。4月18日、幼虫約百匹とカワニナを放流した。
 その一カ月後、五月中旬の雨が降った日の夜。丸山さんは、せせらぎから50匹ほどの幼虫が土手に上がるのを見た。好条件で飼育・放流した幼虫は、数日以内に陸へ上がる。だが、日影になっているせせらぎは水温が低めで、上陸は放流幼虫より遅れる。「ここで生まれ育った幼虫だ。山本さんや会員の努力がやっと実った」と感動した。
 今年、丸山さんがホタルを最初に見たのは6月10日。そして下旬「不思議なことが起こった」。ホタルの里から約150m西北の山本さん宅の玄関先で「家族がフワフワと光って飛ぶホタルを見たそうです。湿気を好み、飛ぶのはうまくないホタルが公園を越えていくなんて…」と丸山さん。
 山沿いの山本さん宅周辺へ、木を伝い伝い飛んでいくのか、一カ月半早いお盆の迎え火だろうか。30日夜も5、6匹が青白い光の軌跡を描いていた。来週半ばまでは見られそうという。
 愛好会(会員48人=昨年度末)は今年も幼虫を飼育する。昨夏、酷暑と酸欠で多くを死なせてしまった教訓から、研究・水管理担当の丸山さんは、熱帯魚用クーラーを使って飼育水温を24度に保ち、超微小の気泡を出す酸素補給装置を備え、成虫を捕獲し産卵を待っている。

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