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東海愛知新聞

春の褒章

西三河から12人

春の褒章受章者が発表された。西三河では、社会奉仕活動に功績のあった人を顕彰する緑綬褒章に1人、業務精励者をたたえる黄綬褒章に6人、地方自治や福祉に尽くした人に贈られる藍綬褒章に5人の合わせて12人が選ばれた。
 受章者(西三河)は次のみなさん。
 ◇緑綬褒章
 【社会奉仕活動功績】鈴木光子(69)点訳奉仕者、西尾市寄住町
 ◇黄綬褒章
 【業務精励】打抜プレス業務・卓越技能=地引勝也(65)豊大工業非常勤顧問、豊田市大林町▽数値制御金属工作機械業務・卓越技能=杉浦悦夫(58)アイシン精機試作工場共通加工チーム係長、高浜市向山町▽電気鍍金業=竹内克弘(60)サーテックカリヤ社長・愛知県鍍金工業組合副理事長、刈谷市若松町▽友禅染業・卓越技能=中根健一(72)平健代表者、西尾市巨海町▽金属加工機械組立業務・卓越技能=名倉政男(58)豊田工機サービス部主査、幸田町坂崎▽農業=野澤正雄(79)農業・元安藤川排水土地改良区理事長、岡崎市中島町
 ◇藍綬褒章
 【地方自治功績】青山秋男(58)愛知県議会議員、岡崎市福岡町
 【産業振興功績】池渕浩介(68)トヨタ自動車副会長、豊田市寿町
 【社会福祉功績】伊藤幸男(76)元民生・児童委員、高浜市本郷町
 【発明改良の育成功績】大森徳郎(63)デンソー副社長、刈谷市南沖野町
 【調停委員功績】岡田久子(75)元調停委員、岡崎市宇頭町
土地改良区に尽力
黄綬褒章 野澤正雄さん(79)
 田園地帯が広がる岡崎市南部。矢作川の支流、安藤川はかつて、たびたび氾濫し、地域の稲作に被害が出た。
 このため地元の農業関係者で昭和27(1952)年、安藤川排水土地改良区を設立。約1,000ヘクタールの農地を対象に排水路を整備し、62年には念願の合歓木ポンプ場が完成した。
 野澤さんは当初から土地改良区にかかわり、平成10年から、今年3月に占部土地改良区、西尾市の高落用水土地改良区に吸収合併して解散するまで理事長を務めた。
 「合歓木ポンプ場は最大、毎秒12トンの排水能力があります。以前は年に2、3回は安藤川の水があふれ、田植えが終わったばかりの稲が冠水しました」と振り返る。
 10人兄弟の4男。終戦直後から農業一筋に稲と麦を栽培してきた。
 「当時は見渡すかぎり水田地帯で、夏は稲作、冬は麦を作ってきました。ところが、消費の低迷などで米は値下がりし、農業経営は厳しくなりました。これまでのように個人では難しく、大規模経営の時代になりました」
 長年続けた農業だが、60年ごろに田んぼを人に預けて“退職”した。
 「土地改良区では、みなさんが喜んでもらえるようにと力を尽くした。今は、ほ場の整備などで若い人たちが安心して農業に従事できる環境が整うことが願いです」と話している。

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