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東海愛知新聞

音を立てながら「地震が走った」

新潟県中越地震
岡崎市派遣の職員に聞く
地盤基礎が被害を左右

岡崎市職員2人が、新潟県中越地震被災地の長岡市と刈羽村の各一部区域で、家屋の危険度調査に携わった。いずれも震度6弱の激しい揺れが襲った地域。東海地震など大地震の発生が心配されるこの地方にとって、調査で分かった事柄は地震対策に役立つはずだ。  
  不気味な音をたて「地震が走った」。地元の人は、直下型地震の恐怖をこう表現した。“走った”証拠に地割れがあちこちにあった。
 「応急危険度判定士」として派遣されたのは、建築指導課の鈴木満さんと木河聡さん。ともに一級建築士。豊田市職員一人を加えた三人で、今月1日から4日まで木造家屋の計54戸を調査したが、倒壊家屋はなかった。
 判定結果は、建物に立ち入らないこと―という「危険」が9戸、立ち入りには十分注意する「要注意」は12戸、建物が使用可能の「調査済」(安全)は33戸。
 内訳は▽長岡市=危険4、要注意8、安全11▽刈羽村=危険5、要注意4、安全22。
 全般的に地盤や建物の基礎の良しあしが被害の大きさを左右していた。
■棟瓦が落下
 長岡市の調査区域は信濃川流域の西側。集落の周りに田んぼが広がる。
 古い家は基礎が損傷。とくに、コンクリート製の縦長の「束(つか)基礎」が、揺れで建物の重みを支えられず、傾いたり倒れたりしていた。さらに、「屋根の鬼瓦は揺れで飛び、棟瓦も崩れて軒下に落ちていた」(木河さん)。
■液状化現象
 刈羽村はJR刈羽駅南の一帯。役場に近い田園地帯。ここでは、液状化現象で大きく傾いた家々を「危険」と判定した。
 「田んぼを埋め立てた場所で土を握ってみたら(液状化しやすい)微粒子だった」(鈴木さん)。土質にも問題があったようだ。また、地元の人が「井戸のおかげで水の苦労はなかった」と話す地域の被害が目立った。
 いずれの区域も、昭和五十六年六月以降の新建築基準で建てた家は比較的被害が少なかった。
■命守る改修
 今後、新築・改築を計画する場合は次の点に留意してほしい、と二人は言う。
 ・用地の周辺が昔はどんな地目だったか地区の古老に聞く・「池」や「田」が地名に付く地域などでは地盤調査を行う・建築士は地盤や建物の耐震構造について十分な事前説明をする―。
 そして「家屋倒壊から命を守る」ためにも、無料耐震診断を受け、危険なら改修工事を、と呼びかけている。

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